私たちが大切にしている「介護とテクノロジー」のちょっと意外な関係についてお話しします。
生産性向上・効率化はなんのため?
私たちはこれまで、介護テクノロジーを積極的に導入し、業務の生産性向上や効率化を進めてきました。残業を減らしたり、記録時間を短縮したりと、目に見える成果も出ています。
でも、私たちが本当にやりたかったのは、単に「仕事を楽にすること」ではありません。 生産性を向上させた先、効率化させた先に生み出された「時間」を使って、**「ひと手間かけた、その人らしい生活のお手伝い」**をすること。それが私たちの真の目的でした 。
今回は、その「生み出された時間」を使って取り組んだ、あるチャレンジについてご紹介します。
諦めていた「お出かけ」をもう一度
私たちが利用者様やご家族にアンケートを取ったところ、意外な事実が見えてきました。 「外出したいけれど、体の負担を考えると無理だと諦めている」という方が、約4割もいらっしゃったのです 。
そこで、「行きたい場所へ、行きたい人と行く」 そんな当たり前の権利を、私たちのサポートとテクノロジーの力で取り戻したい 。そう考えて、利用者様自身やご家族自身が「どこへ誰と行くか」を決める、オーダーメイドの外出支援をスタートしました。
笑顔が物語る、外出の効果
オーダーメイドの外出では、実際にいくつもの「夢」が叶いました 。
「親子で思い入れのあるお店でふたりだけのランチ」
「住み慣れた我が家にお母さんをもう一度連れて帰りたい」
「家族そろって昔よく通ったうなぎ屋さんへ」
「大親友と温泉旅に出掛けたい」
などなど。
お出掛け中にパッっと表情が明るく輝いたり、「夢のような時間だった」という嬉しい声をご家族からいただいたり、さっそく帰りの車で次の計画を練られたり(笑)。
私たちもオーダーメイドの外出の力を強く感じました。ちなみに、私たちスタッフは外出中はあえて距離を置き、せっかくの時間をお邪魔しないようにすることも心掛けています。
更にこの時、利用者様やご家族にご協力いただき、ただ外出をするということだけでなくFitbitや睡眠センサー、表情分析ソフトといったテクノロジーをフル活用して、外出が心身にどんな影響を与えるかを検証しました 。
その結果、驚きのデータが得られました。
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喜びが「数値」に:表情分析
表情分析ソフト「FaceReader」で測定したところ、外出中は多くの方で**「Happy(喜び)」の感情値が非常に高く上昇**しました 。 ある方は97.4%、別の方は95.9%と、心からの喜びが表情データからも証明されたのです。
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自然と体が動く:活動指標
Fitbit(ウェアラブル端末)で歩数を測定すると、全員の活動量が大幅にアップしました 。 なかには普段より歩数が2,000歩近く伸びた方もおり、「誰かと一緒」という気持ちが活動のエネルギーになることが分かりました 。
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ぐっすり眠れる:睡眠指標
さらに驚いたのは、眠りSCANで測定した睡眠データです。 測定したデータの約8割(21項目中16項目)で数値が改善しました 。 特に、寝つきの良さを示す「睡眠潜時」が劇的に良くなり、普段より90分以上も早く入眠できた方もいらっしゃいました 。外出による心地よい刺激が、良質な眠りをもたらしたのです。
幸せを量産する組織へ
利用者の皆様が喜ぶ姿を間近で見ることは、私たちスタッフにとっても大きな喜びです。「また次も企画したい!」というスタッフのワクワクした気持ちが、さらに質の高いケアを生む、そんなポジティブな循環も生まれます 。
介護テクノロジーは、決して冷たいものではなく、 **「誰かと一緒に、誰かのために」**という温かい想いを実現し、それを支えるための強力なパートナーだと私たちは考えています 。
これからも私たちは、テクノロジーを上手に使いながら、誰よりも「ひと手間」を惜しまない介護に挑戦し「幸せの量産」を続けていきます!



